野鳥図鑑~長いクチバシをと赤い目が特徴の『ミヤコドリ』~
「ミヤコドリ」の全長は45㎝ほどで、頭部から背中と翼にかけては黒色、腹部は白色とはっきり2色に分かれています。そしてチャームポイントは長く伸びたオレンジ色のクチバシと赤い目です。「ミヤコドリ」はアイルランドの国鳥に指定されていて、チドリ目ミヤコドリ科に分類され、日本では冬鳥として海岸地帯でよく見られます。シギやチドリに比べて、体が大きくクチバシがとても目立つので、見つけやすい野鳥でもあります。ただし、沖の方にいることも多いため、フィールドスコープなどがあると観察に便利です。
クチバシがフォークとナイフの代わり
「ミヤコドリ」の英名は「Eurasian Oystercatcher」(オイスター・キャッチャー、貝を取る鳥)といい、その名の通りカキなどの二枚貝を主食としています。上下に平たい独特の形状をしたクチバシをわずかに開いた貝の隙間に差し込み、貝柱を切断してこじ開けます。貝以外にもカニやエビなどの甲殻類、ゴカイなどを食べることもあり、干潟に隠れている餌を器用に探し出して食べる姿が見かけられます。
「ミヤコドリ」はイクメンの先がけ
「ミヤコドリ」は、繁殖期以外は群れを作って生活しています。海岸部などで干潮時に採食するときは数羽から20羽ほどの小さな群れを形成し、満潮時には20~200羽ほどが集まって休息する姿が見られます。4月~7月の繁殖期になると、番(つがい)になって縄張りを作り、地上に草や小石・貝殻などを敷いて巣を作ります。子育てはオス・メス協力体制のもと行われ、30日前後の抱卵を経てヒナは約1カ月後に巣立っていきます。
冬季には全国の干潟などの海岸沿いで観察できる「ミヤコドリ」。特徴的なクチバシを目印に、器用に貝を食べる姿をぜひ観察してみてくださいね。そんな「ミヤコドリ」の姿が撮影できた方は、是非ネイチャーランドの「ギャラリー」に投稿ください♪お待ちしております!
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