野鳥図鑑~美しい声でさえずる美声の持ち主『クロツグミ』~
「クロツグミ」はスズメ目ツグミ科に分類される鳥で、体長21.5cmとツグミの中では最も小さいサイズです。「クロツグミ」という名の通り体の色は全体的に黒く、お腹側は白地に黒い斑点があります。くりくりとした大きな黒目が特徴でかわいらしい印象です。日本三鳴鳥とも言われる鳴き声の美しい鳥は、一般的にウグイス・コマドリ・キビタキと言われていますが、「クロツグミ」は「日本の夏鳥で最も魅力的な声でさえずる鳥」とも呼ばれています。
数少ない夏鳥として絶滅危惧種のⅡ類に指定
「クロツグミ」の食性は動物食です。ピョンピョンと跳ねるように歩きながら地面にいる「昆虫」や「ミミズ」などを採餌するのが特徴的です。寿命は3年程で、3年まで生きることのできない個体が多く、現在では数少ない夏鳥として大阪府のレッドデータブックでは絶滅危惧種のⅡ類にもなっています。5~7月の繁殖期になるとつがいになり、縄張りを持ちます。「クロツグミ」は山間部の木の枝の上に、巣はおわん型で枯れた枝、苔や土などを器用に使って山間部の木の枝に作ります。卵は1度に3~4個産み、オスとメス両方でヒナを育て2週間ほどで巣立っていきます。
モノ真似も得意な「クロツグミ」
「クロツグミ」は繁殖期になると木の高いところで明るくさえずります。そのレパートリーは多種多様で、「キーキー」「キョコキョコ」「キャアキャア」「キョキョ」と鳴く以外にも、他の鳥の鳴き声を真似て自分のさえずりに織り込むことがあります。レパートリーも多種多様で、声量が豊かで大きい雄ほど雌に選ばれやすいということから、初夏の森では美しく透明感のあるさえずりが響き渡ります。
夏場は「クロツグミ」に会える絶好のチャンス
さえずりが美しい「クロツグミ」。実は、繁殖期以外の季節は意外にも口を閉ざしているので「口を噤む」=「ツグミ」という名前がつけられたとも言われています。そしてツグミは、木に止まっているよりも、地面をピョンピョン跳ねるように歩いている方が圧倒的に多く、その姿が馬に似ているというので「鳥馬」という古い呼び名もあります。繁殖期の夏場は日本各地に来ているので、「クロツグミ」に会える絶好のチャンスです。公園や近くの野原で「クロツグミ」に出会えたよ、という方は是非ギャラリーページまでお写真投稿くださいませ♪
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