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【天体関連ニュース】

2022年3月の星空トピックス

昼の時間が少しずつ長くなり、これまで昼よりも夜の時間が長かったものが、3月21日(月)の春分を前にして逆転し、星空も春らしく変わっていきます。日に日に早まる日の出の前、明け方の空で「明けの明星」金星が、明るく輝いています。3月中旬から下旬にかけては、金星に火星や土星が近づき、月末にはこれらの惑星たちに、新月に向かう細い月が並んで見られます。比較的空の低い位置での観察になるので、見晴らしの良い場所で観察してみてください。

ひときわ明るく輝く明けの明星

1月から明け方の空に見えている金星が、3月20日(日)に西方最大離角となります。最大離角とは、地球よりも内側の軌道を公転している内惑星が、地球からの見かけ上太陽から最も離れることを言います。内惑星のひとつである金星は太陽から大きく離れた方向には現れないため、金星が真夜中の空に見えることはなく、日の入り後の西の空、または日の出前の東の空に見えます。西方最大離角を迎えた金星は、「明けの明星」として私たちを楽しませてくれています。今月の金星は、わずかに高度を下げながら日の出前の南東の空で輝いています。一般的には、最大離角の前後は金星の高度が高くなり、最も見つけやすくなります。

地球の両隣の金星と火星が並んでお目見え

金星の輝く明け方の空に、今年の終盤に主役となる火星が見えています。南東の方角で日の出時の高度を徐々に上げていく火星は、金星とすれ違うように移動していき、16日(水)には約4度の離角で並んで見えます。見た目でこそ近くに見えていますが、地球の一つ内側を回る金星と、一つ外側を回る火星、地球の両隣の2惑星には、この時1億9千万キロメートル近い奥行きの違いがあります。この日の火星の等級は1.2等。マイナス4.5等と大変明るく輝く金星とは190倍もの明るさの差があり、色合いも大きく異なります。薄明で空が明るくなるにつれて火星が肉眼で見えづらくなった場合には、双眼鏡や小さな望遠鏡を使うと見えやすくなります。地平線近くには、土星の姿も。3月末から4月上旬には火星、金星と近づいていくので、毎日の位置の変化にも注目してみましょう。

春の訪れを感じる月と惑星の競演

3月下旬になると、日の出前の南東の低空で並んでいる金星と火星に土星が高度を上げて近づいてきます。マイナス4.4等の圧倒的明るさで輝く金星と、それぞれ1.1等、0.8等と似たような明るさの火星、土星が毎日少しずつ位置関係を変えていきます。29日には、金星と土星が約2度(月の視直径の4倍程度)まで接近します。3つの惑星が形作るトライアングルの近くを、28日(月)から29日(火)にかけて、新月前の細い月が通り過ぎていきます。この時期だけの月と惑星たちの競演を楽しんでみてください。

◆3月の新月は
3月3日(木)
◆3月の満月は
3月18日(金)です。


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