星のソムリエがお届けする、天体コラム Vol.6『ふたご座』
ふたご座って天空上のどのあたりにあるかご存知ですか?冬のこの時季の夜9時前後に、東の空の高度40°あたりに仲良く並んで見える2つの明るい星が目印になります。それがまさしくふたご座の双子の頭にあたる星で、それぞれ名前をカストルとポルックスと言います!明るい星なので比較的簡単に見つけることが出来ると思います。または冬の大三角(ベテルギウス、シリウス、プロキオン)を知っている方なら、見た目の位置的にはその左側にある2つの明るい星がそれです。
一般の方を対象にした星空観望会でも、ふたご座はみなさんすぐに分かるようですから、チャンスがあったら探してみてください。特にふたご座生まれのあなた!12月は自分の誕生星座を見つける絶好のチャンスですよ♪
ふたご座の兄「カストル」と弟「ポルックス」
カストルは双子の内のお兄さん星なのですが、なんと弟星の1等星ポルックスよりも少し暗くて2等星になります。お兄さん星なのに明るく華やかさに欠けたカストルは、なんとなく頼りない感じがしますよね。でも東の地平線から昇ってくるときは、ポルックスよりも先に姿を現すので、その点でお兄さん星としての面目を保っているようです。
カストルのほんとうの姿は・・・
カストルのほんとうの姿は6重連星系です。夜空を見上げた時にカストルは、通常は1つの星にしか見えません。それを望遠鏡で拡大すると3つの星がぐちゃって引っ付いた様子が見えてきます。そしてそれらを分光すると3つの星がそれぞれ伴星を伴っていることが分かるのです。つまり3×2=6重連星系。しかもそれぞれが互いの周りを回っているので、重力的にも関係する連星系なのです。
3大流星群のひとつに数えられる「ふたご座流星群」
3大流星群のひとつがふたご座流星群です。最近は年間最大の流れ星数がカウントされていて、多い時だと1時間当たり100個ほども流れます。筆者も昨年は雨模様の東京から新潟まで出かけてふたご座流星群の壮大な流星ショーを楽しみました。
その時の様子を動画に収めましたので、興味のある方は是非一度覗いてみてください。
※音声が流れます
ふたご座流星群の特徴は明るくて長い尾を引いて流れるので、寒い冬の夜空の天体ショーでありながら、たくさんの流星を観望しているとアドレナリンが出てきて、身体が温かくなってくるのを感じると思います。ちなみにふたご座流星群がもっとも多く流れる日は、毎年12月14日になります。今年は満月が残念ながら一晩中夜空を煌々と照らしているので、流星が見える数もグッと少なくなってしまう予想です。それでも、晴れたら防寒対策を整えてふたご座流星群にチャレンジしてみるのもいいかもしれません。
なにせ明るくて長い尾を引いて流れてくれれば、それなりに楽しむことが出来るからです。できれば少なくとも小一時間くらいは粘ってみてくださいね。これは流星群観望の鉄則です。それでは心に残る流星群が見られますように。。。
コラム筆者プロフィール
村上将之
Masayuki Murakami
1963年 魚座生まれ。
東京都国立市在住。
「星のソムリエ」「星空宇宙天文検定2級」を取得。
ネイチャーショップKYOEIにて情報企画業務やブログ制作のかたわら、「NHK学園講師」として星空講座のレクチャーや南十字星ツアーなども手掛けている。そのほか幼稚園や小学校や学習館などでも星空教室を開催。最近はふたたびバードウォッチングにもはまり、日本野鳥の会の探鳥会にも出没している。