2020年10月星空トピックス
秋の気配が色濃くなる10月。星空もすっかりと秋の装いで星々が輝いています。今月は中秋の名月や火星の大接近、月初と月末に迎える2度の満月など、秋の夜長を楽しむのに星空を眺める絶好の季節です。
10月1日(木)は中秋の名月
2020年の中秋の名月は、10月1日(木)です。「中秋の名月」とは、太陰太陽暦の8月15日の夜に見える月のことを指します。中秋の名月は農業の行事と結びつき、「芋名月」と呼ばれることもあり、中秋の名月をめでる習慣は、平安時代に中国から伝わったと言われています。また、太陰太陽暦の9月13日の夜を「十三夜」と呼び、日本ではその夜にもお月見をする習慣があります。十三夜は、「後(のち)の月」「豆名月」「栗名月」とも呼ばれ、今年の十三夜は、10月29日(木)です。
火星が地球に大接近
夜空での存在感を増している火星が10月6日(火)に地球に最接近します。この頃の火星は宵のころには東の低空に見え、真夜中になると南の空高い位置で堂々とした輝きを放っています。明るい星が少ない秋の星座の中にある火星は、ひときわ目立ちます。最接近のした火星は、地球との距離が近くなるため明るく見え、見かけの大きさも大きくなり望遠鏡でも観察しやすくなります。
極大日を迎える、くじら座の「ミラ」
くじら座の胸に輝く星は、「ミラ」と呼ばれ、「ミラ」は「不思議なもの」という意味を持っています。その名の通りこの星は、明るさが大きく変わる変光星として有名です。約332日の周期で、2等から10等くらいまで明るさが変化します。その理由は、星としての一生の終わりに近づいている「ミラ」は、膨張と収縮を繰り返す不安定な状態にあるためです。膨張すると星の温度が下がって暗くなり、収縮すると温度が上がって明るくなります。極大日(最も明るく見える時期)は10月14日(水)と予想されていますが、10日前後ずれてもおかしくありません。あまり極大予想日にとらわれず、10月に入って秋の星座が比較的早く昇るようになったら観察を始めてみてください。
秋の星座へと衣替えをした10月の星空では、月と木星と土星の競演も見どころです。是非、この機会に澄み切った秋の夜空を楽しんでみてください。
◆10月の満月は
10月2日(金)、10月31日(土)
◆10月の新月は
10月17日(土)です