野鳥図鑑~謎がいっぱい!小さな猛禽『モズ』~
大きな頭と目元のラインが「モズ」の特徴
モズは全長20cmほどの鳥で、モズ科、モズ属に分類されています。大きな頭と黒い過眼線、長い尾と2段の鉤形(かぎがた)となった嘴(くちばし)が肉食系の鷲などと同じ形をしているのが特徴です。モズは、スズメより少し大きい鳥で、見通しのよい高いところでよくみかけます。全体的に体色が茶色のため、スズメやホオジロとも似ています。また、モズは他の鳥の声をまねるのがうまく、そのためモズを漢字で「百舌鳥」とあらわします。
農作業の目安になる「モズの高鳴き」とは?
モズは、秋から冬にかけて1羽だけで縄張りを持ちます。そのため秋の初めには老若男女を問わずモズは激しい戦いをして縄張りを勝ち取るのですが、この時「キィー キィー キチキチキチ」と甲高いモズの鳴き声が聞こえてくることがあります。これは「モズの高鳴き」と呼ばれていて、モズの高鳴きを初めて聞いてから75日目に霜が降りだすとして、「モズの高鳴き七十五日」という農作業の目安にしている地域もあるそうです。
見た目がちょっと残酷!?「モズの早贄(はやにえ)」とは?
冬のこの時期、モズは餌のミミズや冬眠中の蛙などを食べるために、耕した畑などにしばしばその姿を見せることがあります。また、モズは生け垣などの尖った小枝や、有刺鉄線のトゲなどに、バッタやカエルなどの獲物を串ざしにする「モズの早贄(はやにえ)」というちょっと変わった習性があることで知られています。「食料を備蓄するために行う」「脚が弱いからフォーク代わりに」「縄張りを誇示するため」など諸説ありますが、モズが何のために早贄(はやにえ)を行うのかは解明されていません。こういったちょっと残酷とも言える習性から、イギリスではモズを「屠殺人の鳥」、ドイツでは「絞め殺す天使」と呼ぶこともあるそうです。
モズは見晴らしの良い“てっぺん”がお好き!?
モズを観察できる場所は、草地の多い里山や農地などです。高い木の枝先や電線など見晴らしの良い場所を好む傾向にあり、枝葉の少ない冬場はモズを観察するのに絶好のタイミングと言えます。高い場所のてっぺんにじっと止まっていることが多いので、双眼鏡で探しながらじっくり探すと見つけやすいかもしれません。謎がいっぱいの「モズ」の凛々しい姿が撮影できた方は、是非ネイチャーランドの「ギャラリー」に投稿ください♪お待ちしております!
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