ク・ハラさんの遺産相続と「ク・ハラ法」:母親は財産をもらったのか?

元KARAのメンバーである故ク・ハラさんの相続を巡る裁判と、後に話題となった「ク・ハラ法」について、混乱しやすい報道を整理しながら解説します。


母親はク・ハラさんの遺産を受け取ったのか?

結論から言えば、母親は遺産の40%を受け取りました。韓国民法では、故人に配偶者や子どもがいない場合、遺産は親に相続される仕組みになっています。そのため、ク・ハラさんの両親が法定相続人となり、通常は父と母が50%ずつ受け取ることになります。

しかし、ク・ハラさんの母親は幼少期に娘を育てず家を出ており、その後の人生でも関与はほぼなかったとされています。これを問題視した兄のク・ホイン氏は、母親の相続権を巡って訴訟を起こしました。

2020年12月、光州家庭裁判所は「母親は長年育児放棄をしていたが、法律上の相続権は完全に剥奪されるものではない」と判断。結果として、**父側(実際は兄に譲渡)が60%、母親が40%**を受け取るという裁定が下されました。

つまり、母親は「すべてを失った」わけではなく、法定相続人として一定の割合を受け取ったのです


「母親はもらえなかった」という誤解の原因

一部報道では「母親が遺産を受け取れなかった」という見出しがありましたが、これは誤解です。実際には、母親は相続の40%を取得しています。

2024年に報じられた「母親が遺産をもらえなかった」というニュースは、憲法裁判所が民法の相続条項を違憲と判断したというニュースに関連したもので、ク・ハラさん個人の事案ではなく、制度上の話題が中心です。

この違憲判断は「親としての責任を果たさなかった者が自動的に相続人となるのは不合理」とするものであり、実際の遺産配分には影響していません。


ク・ハラ法とは何か?

この一連の問題を受け、ク・ハラさんの兄ク・ホイン氏は、育児放棄した親に相続権を与えることの不当性を訴え、「ク・ハラ法(民法改正案)」の立法活動を行いました。

この法案は、以下のような内容を含みます:

  • 子を育てる義務を放棄した親に対し、相続権を制限できるようにする
  • 養育義務の不履行を法的に証明できる場合、相続権の剥奪が可能になる

2023年にこの法案は国会を通過し、2026年1月から施行予定です。ただし、ク・ハラさんの遺産相続には遡及適用されないため、母親の受け取った40%が取り消されることはありません


憲法裁判所の違憲判決と今後の展望

2024年4月、韓国の憲法裁判所は「親が子を育てる責任を果たさなかった場合でも、法律上の相続権を持つ」という現行民法の規定を違憲と判断しました。

この判決により、韓国政府は2025年末までに民法を改正する義務を負いました。この流れの中で「ク・ハラ法」のような新たな制度が正式に整備される見込みです。


まとめ:ク・ハラさんの相続問題と「ク・ハラ法」

質問 答え
ク・ハラさんの母親は遺産を受け取ったか? はい。裁判により40%を受け取りました
「もらえなかった」という報道は正確か? いいえ。制度面の誤解や混同に基づく報道です
「ク・ハラ法」とは何か? 育児放棄した親の相続権を制限する法律。2026年施行予定
今後の制度はどうなる? 憲法裁判所の判断により、民法の相続規定が改正される予定

この問題は、韓国社会における家族と法律の関係、特に親の責任と子の権利に対する意識を大きく変える契機となっています。

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