2023年10月の星空トピックス
空気が澄み渡り、爽やかな秋晴れの日が多くなる10月は、宵の空を秋の星座が彩ります。日暮れ後の東の空には木星が、南東の空には土星が見え、さらに、明け方の空には西方最大離角を迎える金星がとても明るく輝きます。今月は澄んだ空で美しく輝く月がそれぞれの惑星に近づく様子を楽しむことができます。また、29日(日)未明には、ほぼ日本全国で見ることのできる部分月食が起こります。
曙の空を彩る金星と月
明けの明星として輝く金星は、24日(火)に西方最大離角を迎え、日の出前の東の空でとても明るく、存在感を放っています。この時期は、金星のすぐ左上にしし座の1等星・レグルスも輝き、見ごろを迎えた金星に、新月前の月が接近する10日(火)、11日(水)は、ひときわ華やかな夜空が楽しめます。
月は、光る部分がほぼ真下を向いており、これは秋の明け方の細い月の特徴と言えます。
月の光にも負けない土星の輝き
日の入り後の南の空には、秋の星座で唯一の1等星・みなみのうお座のフォーマルハウトが見えます。今年は、秋のひとつぼしとも呼ばれるフォーマルハウトの上に、0.7等の土星が並び、ふたつぼしの光景が楽しめます。どちらも際立って明るくはないものの、他に明るい星がない南の空では、目立って見えます。24日(火)には、月が土星に近づきます。上弦(半月)過ぎのかなり明るい月に負けず、光を放つ土星をぜひ観察してみてください。
明け方の部分月食
29日(日)の明け方に月食が起こります。月食は、地球の影(本影)によって全て隠される「皆既月食」と、一部が隠される「部分月食」があります。今回は部分月食で、始まりから終わりまでをほぼ日本全国で見ることができます。
薄明中の低い空、また、大きく欠けないうちに月食が終わるため、好条件とはいかないものの、次に日本で月食が見られるのは2年後のため、貴重な機会となりそうです。西の空が開けた場所で観察すると良いでしょう。
木星と満月の共演
日が落ちて空が暗くなる頃、東の空には明るく輝く木星が見えます。真夜中を過ぎるまでは木星が、明け方には金星が、最も明るい星として夜空を彩ります。
28日(土)木星の右上にある月は、29日(日)に満月となって木星の左に並び、28日(土)よりも近づきます。満月の明るい光に埋もれることなく、強く鋭い光を放つ木星は、肉眼でもはっきりと見ることができます。見応えのある月と木星の共演を是非お楽しみください。
【10月りゅう座流星群も!】
10月りゅう座流星群の活動が6日(金)〜10日(火)活発となり、9日(月)16時ごろに極大となる予想です。極大の時間は日中ですが、月が昇る10日(火)の1時頃までであれば観測は可能です。放射点が比較的高めで月明かりがないという点では条件は良きなりますが、今年を含め例年の活動は小規模なので、1時間あたり数個みられる程度です。対地速度が遅く、ゆっくり流れる流星が特徴的な10月りゅう座流星群。のんびり眺めてみるのも良いかもしれません。
◆10月の新月は
10月15日(日)
◆10月の満月は
10月29日(日)