2023年6月の星空トピックス
今年の夏至は6月21日(水)。1年の中で最も日暮れが遅くなる日で、星がしっかりと見えてくるのは、20時を過ぎた頃になります。空がすっかり暗くなると、春の星座は西に傾き始め、追いかけるように、東の空からは夏の星座が昇ってきます。今月は目立った天文現象はありませんが、惑星の近くを月が次々に訪れたり、かに座のプレセペ星団に火星や金星が近づいたりする様子が楽しめます。
プレセペ星団と二惑星が大接近!
かに座の中央にあるプレセペ星団は、見ごろを迎える春から初夏に向けて、日が暮れた西の低空に見られます。2日(金)には、この星団に火星が最接近します。まるで火星がプレセペ星団の星々の一つになったかのように見えるほどの超大接近!肉眼でも見ることはできますが、双眼鏡を使うとたくさんの星を一緒に観察することができ、より楽しめます。さらに13日(火)には、金星が大接近します。明るく輝く金星は容易に見つけることができますが、その明るさゆえ、淡い輝きの星団の星々は、肉眼では少し見えづらいかもしれません。プレセペ星団は、22時過ぎには沈んでしまうため、20時頃の観察がおすすめです。
深夜の夜空で月と土星が共演
深夜を過ぎると、南東の空で秋の星座を背景に土星を見ることができます。10日(土)、11日(日)には月が見かけ上接近します。ただし、この時期の土星は、約1等とそれほど明るくないため、まだまだ明るい下弦(半月)の月の影響で、少し見えづらいかもしれません。10日(土)に土星の右下にある月は、11日(日)には土星の東(左)に大きく離れるため、土星は11日(日)の方が見えやすくなります。
薄明前の空に明るく輝く木星と月
6月になると、明け方、東の空の低い位置には、木星が姿を現します。木星は約マイナス2等ととても明るく、まわりの星座には明るい星がないこともあって、低空でも非常に目立っています。
14日(水)の朝、この木星に月が近づきます。月の光に埋もれることなく存在感を放つ木星。早起きして、見応えのある共演を楽しんでください。
西の夜空に集まる月と金星と火星
日の入りの後、西の空に明るく輝く金星は、4日(日)に、見かけ上太陽から最も大きく離れる東方最大離角を迎えます。また、日の入り後の金星の高度も高くなり、目に留まることも多くなるでしょう。22日(木)には、金星とそのすぐそばに見える火星に月が近づきます。約2等と少し暗くなった火星も、明るい月と金星を目印にすれば、見つけることができます。月と金星、火星が寄り添う姿をお見逃しなく。
◆6月の満月は
6月4日(日)
◆6月の新月は
6月18日(日)