2023年1月の星空トピックス
冬の星座には明るい星が多く、宵の空で存在感を際立たせ、夜空を美しく飾ります。 そんな1月の夜空では、惑星たちに注目してみましょう。宵の空では金星、土星、木星、火星それぞれが月と近づく様子を観察することができます。22日(日)から23日(月)にかけては日の入り後の西の低空で、金星と土星が接近する様子が、30日(月)の夜明け前の空では、西方最大離角(※)となる水星が観察できます。また1年の最初を飾る流星「しぶんぎ座流星群」が4日(水)未明に観察できます。
※西方最大離角とは、地球から見て、内惑星が太陽から最も西側に離れる位置のこと
月と火星、星団の星々が夜空を飾る
1月上旬、日の入りから1時間ほどたち空が暗くなった頃、東の空には、2022年12月に地球に最接近したばかりの火星が、明るく赤く輝いています。その近くにはオレンジ色をしたおうし座の1等星アルデバランも見えています。アルデバランは火星よりもやや暗くはなりますが、2つの星が寄り添って輝く様子は、夜空に彩りを与えてくれます。
アルデバランの周辺に見える星の集団「ヒアデス星団」は、おうし座の顔を形作る星団で、V字型に並んだ暗い星を中心に、肉眼で見ても星がまばらに群れている様子がわかります。また、「プレアデス星団(すばる)」も近くに見え、このあたりは双眼鏡で観察すると、見応えがあります。
3日(火)には、火星に満月前の明るい月が近づき、美しい眺めになります。明るい月が近くにあるときは、星団の星々を肉眼で見つけることは難しいため、双眼鏡などを使うと良いでしょう。
30日(月)から31日(火)になると、月が火星に近づきます。火星近くのおうし座は、月初に比べると同じ時刻でも空のより高い位置に移動していることがわかります。これは地球の公転運動により、毎日約4分ずつ星座の星々が早く昇ってきているためです。月と惑星の接近は決して珍しくはない現象ですが、月の形、惑星や星座の星々との位置関係、そして、見える時間帯等は毎回変わるので、これからも一期一会の光景を存分に楽しみましょう。
1年の始まりを飾るしぶんぎ座流星群
しぶんぎ座流星群は、8月のペルセウス座流星群、12月のふたご座流星群とともに三大流星群と呼ばれています。しぶんぎ座流星群は、活動が活発な期間が短いことや、年によって出現数が変化しやすいことから、流星が多く見える年は限られます。
今年のしぶんぎ座流星群の活動が最も活発になるのは、4日(水)12時頃と予想されていますが、日本では昼間の時間帯にあたるため、4日(水)の深夜1時頃から5時頃が見ごろとなりそうです。
この時に実際に見える流星の数は、空の暗い場所で1時間あたりおよそ25個と予想されます。
流星は、放射点を中心に放射状に出現しますが、放射点付近だけでなく、どちらの方向にも現れるため、なるべく空の広い範囲を見渡すようにしましょう。また、屋外の暗さに目が慣れるまで、最低でも15分ほどは観察を続けると良いでしょう。たいへん寒い季節ですので、寒さ対策をしっかりおこなって観察をしてください。
金星と土星の位置関係の変化にも注目!
1月上旬、日の入り後の南西の低空には宵の明星・金星が見えています。そして、金星よりも少し高い位置には土星が見えています。金星は明るさがマイナス3.9等と明るく、高度が低くても目につきますが、土星の明るさは0.9等のため、見つけられるのは空が暗くなってからです。
地球の近くにある金星は星空の中での移動が大きく、月末に向けて高度が上がっていきます。一方、地球から遠くにある土星は動きが小さく、地球の公転運動によって見える位置がどんどん西に移動していきます。このため、1月下旬には金星と土星が接近していく様子も観察できます。
金星と土星の見かけの位置が最も近くなるのは23日(月)の7時頃ですが、残念ながら日本ではいずれも地平線の下にあり、観察することができません。日本から接近している様子が観察できるのは、22日(日)と23日(月)の日の入り後、双眼鏡や低倍率の望遠鏡を使うと、金星と土星を同じ視野で観察できます。また23日(月)には、新月を過ぎたばかりの細い月もお目見えし、金星と土星の共演に彩りを加えてくれます。南西の方角の開けている場所でぜひ観察してみてください。
三日月と明るく輝く木星が寄り添う
日の入り後、宵の空には金星と土星が輝き、更に高い位置には、明るく輝く木星が見えています。26日(木)には、三日月よりも少し太くなった月と明るく輝く木星が寄り添う光景も観察できます。
水星観察のチャンス到来!
水星は、太陽系の最も内側を公転しているため、太陽から大きく離れることがなく、見つけやすくなる時期は太陽からの見かけの位置が離れる「最大離角」前後に限られています。
そんな水星は30日(月)に西方最大離角を迎え、21日(土)から30日(月)の日の出前に南東の低空で観察できるチャンスが訪れます。日の出30分前の高度が10度を下回るようになっても、水星は明るさがマイナス0.1等あるため、2月上旬までは探しやすいかもしれません。
低空にある水星を見つけるためには、空の低い位置までを見渡すことのできる、東から南東の空が開けている場所を選びましょう。低空に雲のない、良く晴れた日に双眼鏡を使うと探しやすくなります。双眼鏡を使う際は太陽を見ないよう、日の出の前には余裕を持って観察を終えるようにしてください。
◆1月の満月は
1月7日(土)
◆1月の新月は
1月22日(日)