2022年12月の星空トピックス
12月に入り、日没とともに東の空には明るい星が次々と姿を現します。シリウスやカペラなど、6個の1等星が冬の夜空を彩ります。12月初旬には、明るさを増してきた火星が地球に最接近し、中旬にはふたご座流星群も楽しめます。下旬には輝きを増した土星と木星が存在感を放ち、さらに月が土星と木星に近づくと年末の空を一層華やかに彩ります。22日(木)には冬至を迎え、1年のうちで最も夜が長いこの時期は、星空を長く楽しむことができますので、是非暖かい服装で星空観察をしてみましょう。
火星観察の好機は2年ぶり
冬の夜空で赤く輝く火星は、地球の一つ外側を公転している惑星です。この数ヶ月、少しずつ輝きを増してきた火星が1日(木)11時頃に地球と最接近し、観察の好機を迎えます。火星と地球の最接近は2018年の大接近以来、約2年2か月ぶりです。
最接近の頃の火星は、空が暗くなり始めた頃に東北東の低い空に見え始め、時間とともに空の高い位置に昇っていきます。真夜中頃には南の空で一番高い位置となり、その後は時間とともに西の空に高度を下げ、西北西の低い空で夜明けを迎えます。こうして、ほぼ一晩中観察することができます。
火星の動きにも注目してみよう
1日(木)に地球に最接近した火星は、8日(木)に「衝(しょう)」となります。「衝」とは、太陽系の天体が、地球から見て太陽とちょうど反対側になる瞬間のこと。この頃の火星は、マイナス2.0等と最も輝きを増しています。火星などの惑星は、太陽の周りを公転しているため、星座の中での位置を変えていきます。星座の中を惑星が西から東へと移動していくことを「順行」、東から西へと移動していくことを「逆行」と言います。逆行は、太陽系の中で火星の内側を公転する地球が、火星を追い抜くように移動する際に見える現象です。順行から逆行、または逆行から順行へと移動方向が変わるときには、惑星の移動が止まったように見えます。この現象のことを「留(りゅう)」といいます。
2022年10月まで順行を続けていた火星は、10月30日(日)の留を境に逆行へと転じ、12月1日(木)の地球最接近、8日(木)の衝を経て、2023年1月13日(金)の留まで逆行が続きます。その後、再び順行へと転じます。太陽系の惑星の動きへ思いをはせながら、星座の中の火星の移動を観察してみてはいかがでしょうか。
澄んだ夜空に寄り添い輝く月と木星
夕方、空が暗くなりはじめる頃、南東の空を見上げると木星が見えてきます。空の暗さが増すにつれて、その輝きも増して感じられるようになります。2日(金)には、半月よりもやや膨らんだ形の月に、明るい木星が近づいて見えます。月と木星が寄り添う美しい夜空も必見です。
ふたご座流星群 今年は月明かりを避けるのがポイント!
2022年のふたご座流星群の活動は、12月14日(水)頃に活動が最も活発になる極大を迎え、13日(火)夜から14日(水)明け方にかけてと、14日(水)夜から15日(木)明け方にかけての2夜に渡って、普段よりも目立って多くの流星が見られそうです。ただ今年は、深夜には下弦前の比較的明るい月明かりの影響を受けそうです。
予想極大時刻の14日(水)22時頃は、良い条件で観察できる時間帯ですが、この日は22時前に地平線から月が昇ってくるため、月が高く昇る前の21時から真夜中0時頃の観察がおすすめです。このときに空の暗い場所で観察した場合の流星数は、1時間あたり40個から45個と予想されていますので、ぜひおすすめの時間帯に賑やかな夜空を楽しんでください。
流星は、放射点を中心に放射状に出現しますが、放射点付近だけでなく、どちらの方向にも現れますので、なるべく空の広い範囲を見渡すように観察するのがポイントです。
年の瀬の夜空で月と二大惑星が共演
今月は火星に注目が集まっていますが、夕方、南西の空には太陽系最大の惑星である木星と、2番目に大きい土星が、澄んだ夜空で輝きを増し、相次いで月と接近します。土星との接近は26日(月)から27日(火)にかけて、木星との接近は29日(木)です。この間に、月の形は30日(金)の上弦(半月)に向けて少しずつ満ちていきます。月の形の変化も追いつつ、二大惑星との共演をお楽しみください。
◆12月の満月は
12月8日(木)
◆12月の新月は
12月23日(金)