2021年2月星空トピックス
明るい星の多い冬の星座たちが、暗くなって間もない空を彩っています。夜が更けると、しし座や北斗七星など、春の星たちが東の空に姿を現します。2月は見る機会の少ない「りゅうこつ座」の1等星「カノープス」を見るのに良い時期です。
生まれたての細いお月様
2月13日(土)日の入り後の西の空を見てみましょう。日の入り後20分から30分が過ぎて空がだんだん暗くなると、条件がよければ、地平線に近い低い位置に月が見えてきます。月は前日の12日(金)に新月を迎えたばかりで、たいへん細い姿をしています。それから空はだんだん暗くなり、月が明るく目立つようになりますが、一方で月の高度は下がって見えづらくなり、日の入りから1時間半もすると月は地平線に沈んでしまいます。西の空が地平線近くまで開けた場所で観察してみましょう。双眼鏡を使うと見つけやすくなりますよ。
西の空で月と火星が接近
日が沈んで暗くなると、西の空の高い位置に火星を見ることができます。昨年(2020年)10月に地球に最接近した頃よりずっと暗くなりましたが、それでも約0.8等と目立つ明るさです。今月は18日(木)、19日(金)に、この火星に月が接近します。月は翌日20日(土)に上弦(半月)を迎えるためやや明るいのですが、月のそばで月明かりに負けずに光る火星は一見の価値ありです。
長寿の星「カノープス」を見つけよう!
「りゅうこつ座」の「カノープス(マイナス0.7等)」は、おおいぬ座のシリウス(マイナス1.5等)に次いで夜空で2番目に明るい恒星です。しかし、日本の多くの地域でカノープスの南中高度(南の空で最も高くなる時の高度)はたいへん低く、見つけにくい星として知られています。夜更け前にカノープスが南中する2月は、カノープスを見つけるチャンスです。よく晴れた夜、南の空が開けた場所でカノープスを探してみましょう。うまくいけば、南の地平線近くの低い空に(場所によっては地平線すれすれの)カノープスを見つけることができます。カノープスは白く輝く恒星です。しかし、空の低い位置に見える天体は地球の大気の影響を受け、実際の明るさよりも暗く、赤みがかった色に見えます。中国では、カノープスを「南極老人星(なんきょくろうじんせい)」と呼び、この星を見ると寿命が延びる、という言い伝えがあるそうですよ♪
◆2月の新月は
2月12日(土)
◆2月の満月は
2月27日(土)です