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星のソムリエがお届けする、天体コラム Vol.2『流星群を見てみよう』

流れ星
流星群と聞いて皆さんは何を思い浮かべますか? 流星が流れているあいだに願い事を3回唱えるぞとか、流星が隕石となってもし当たったら痛いかなとか、見ようと思うけどいつも天候が悪くなって見られたためしがないよとか。。。大体そんな感じではないでしょうか。今回は私が流星群を観望した長年のエピソードを交えて、流星群がもっと楽しくなるお話をいくつかご紹介したいと思います。

代表的な流星群について

ペルセウス座流星群
国立天文台のホームページに掲載されている流星群と名の付くものは主なものでも10数個ありますが、その中でも毎年ほぼ安定して多くの流星が流れる有名な3つの流星群があります。
1.しぶんぎ座流星群(1月4日前後)
2.ペルセウス座流星群(8月12日前後)
3.ふたご座流星群(12月14日前後)
観察する場所や月あかりのあるなしによる条件によりますが、それぞれの流星群は1時間当たり50個~100個ほどの流星が見られます。これだけの数が流れていれば、流星が流れているあいだに願い事のひとつやふたつぐらい唱えられそうな気がしますよね。私の経験からすると、願い事を3回唱えるのは至難の業かと(´;ω;`)ウッ…

まず流星が夜空を横切って流れていく時間は1秒以下で、とてもじゃないけど舌が回らない。おまけに流星が流れるたびに口から出てくる言葉は、「流れたぁ」「あっ、また流れたぁ」・・・ばかりで気が付くと願い事はそっちのけになってしまっているからです。家族やお友達と流星群を見るチャンスがあれば耳を澄まして聞いてみてください。きっとみなさん、「あっ、流れたぁ」って言っていますよ!

流星が隕石となって体に当たる確率は!?

アメリカの大学の研究によると、流星が隕石となって落ちて当たって死亡する確率は250,000分の1だそうです。このほかに自動車事故に遭う確率は90分の1、火事に遭う確率は250分の1、竜巻は6,000分の1、落雷は135,000分の1ということなのであまり心配する必要はないようですね。

かつて私が埼玉県の北部で「ふたご座流星群」を観望していたときに、火の玉のような大きな流星から赤い溶岩がぼてぼてと滴り落ちるような状態で3秒ぐらいかけてゆっくり落下していく流星と遭遇したことがあります。そのときはあまりにも凄すぎる光景だったために唖然としてしまい、せっかく滞空時間がロングタイムの流星だったのに「オー マイ ガーッ!」って叫んでいたような気がします。

お天気が悪くても諦めるべからず

綺麗なペルセウス座流星群を観たくて、何年か前に東京から岩手県の雫石まで遠征したことがあります。街灯もほとんどなく視野も開けた牧場地帯で、最高の流星群観望のロケーションでした。ところが夕方になるとどこからともなく黒い雲がもくもくと湧き出てきて、あっという間に全天どんよりと雲に覆われ、とうとう大粒の雨が降る始末。とりあえず宿泊施設に退避して約6時間。

このままでは高速代とガソリン代が無駄になると思い、降りしきる雨の中一縷の望みをかけて夜中に林道を峠越えしてドライブしていると、雲間から一瞬パッと星空が。あわてて路肩に車を止めて空を仰ぐと、なんとその雲間からめちゃめちゃ明るいペルセウス座流星群がビューっと長い尾を引いて流れるではないですか。それはいままで見たどの流星よりも明るく鮮明に見えました。天候が悪いからと言って諦めてはいけませんね。ちなみにそのとき発した言葉は「わぁ~、超気持ちいい」。なのでまたしても願い事は唱えていなかったように記憶しています。

どなたかこの夏にペルセウス座流星群を見て願い事を3回唱えられた人がいたら、ネイチャーランドNOSEまでお便りください。待ってまーす!

コラム筆者プロフィール

村上将之 先生(入稿用)村上将之  
Masayuki Murakami
1963年 広島県呉市生まれ。1985年 立命館大学経営学部卒。
「星のソムリエ」「星空宇宙天文検定2級」を取得。
ネイチャーショップKYOEIにて情報企画業務やブログ制作のかたわら、「NHK学園講師」として星空講座のレクチャーや南十字星ツアーなども手掛けている。そのほか幼稚園や小学校や学習館などでも星空教室を開催。最近はふたたびバードウォッチングにもはまり、日本野鳥の会の探鳥会にも出没している。


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