天体望遠鏡の基礎知識
天体望遠鏡のパーツ名称
天体望遠鏡はレンズや反射鏡を用いて光を集め、月や惑星、星雲、星団など様ざまな天体を拡大して観るための光学機器です。
天体望遠鏡は大きく分けて、星を観るための「鏡筒」部分と鏡筒を載せる「架台」部分から構成されています。
天体望遠鏡のパーツ紹介
ファインダー
鏡筒についている小望遠鏡のこと。まずここで見たい対象を狙って、視界に捉えます。
鏡筒
望遠鏡の筒の部分のこと。屈折式、反射式、カタディオプトリック式の鏡筒があります。明るさは「F値」で表します。値が小さいほど明るい恬淡望遠鏡です。
接眼レンズ(アイピース)
接眼レンズを変えることで、天体望遠鏡の倍率を変えることができます。
架台
望遠鏡を三脚に固定する部分のこと。経緯台式と赤道儀式があります。別名「マウント」ともいいます。
三脚
鏡筒や架台を安定して保持するための支え。
鏡筒の種類
屈折式望遠鏡
筒先の対物レンズ(凸レンズ)で集めた光を、接眼レンズで拡大して見る方式。鏡筒内の空気の動きが少ないため視界の像が安定し、コントラストのよい広い視野で星を見ることができます。また、観察する天体の方角に向かってのぞくため、目標を見つけやすいことも特長です。使用・保管・手入れがとても簡単。万能タイプの望遠鏡です。
反射式望遠鏡
反射鏡(凹面鏡)で集めた光を筒の中で90°曲げ、筒外に引き出し、接眼レンズで拡大して見る方式。鏡を使うため天体の周りに色のにじみ(色収差)が出ないことが特長です。特に星雲・星団などの暗い星の観察に威力を発揮します。なお、鏡筒の先端が開いているため鏡筒内の空気が混ざり合い、安定して観察するまでにやや時間がかかります。
カタディオプトリック式望遠鏡
反射望遠鏡と屈折望遠鏡の長所を合せた望遠鏡。反射望遠鏡をベースに、レンズの特性を利用した補正レンズを組み合わせた光を、接眼レンズで拡大して見る方式です。大口径ながら比較的コンパクトなため、携帯性に優れた大型鏡筒を作ることができます。ベースとなる光学系と補正レンズの組み合わせにより、いくつかの方式があります。
架台の種類
経緯台式
カメラの三脚のように、上下左右に動かして天体を探したり、追ったりする架台です。構造がシンプルで、組み立てや取り扱いも簡単。初めてお使いになる方におすすめです。
赤道儀式
日周運動(地球の自転)に合わせて天体を追うことができる架台です。一度とらえた天体を、一方向の回転だけでいつまでも追い続けることが可能です。長時間露光による天体写真撮影や、高倍率撮影には必需品です。