能勢ネイチャーランド

「木原さん」の天体写真集Part24 ~ご自宅から撮影された木星と土星~

久々のご登場、木原さんからご自宅で撮影された土星と木星の画像を届けて頂きましたので、早速ご紹介させて頂きます。木原さん曰く、『今年は天候にまったく恵まれない状況が続いています(汗)新月の週末はことごとく天候が悪く、この夏も全滅でした。平日でも気軽に自宅ベランダから撮影できる惑星ですが、今年も撮影しましたので、お送りさせていただきます』とのこと。しかも、今回は土星の傾きと、ハイリゲンシャイン効果をを比較した画像も送ってくださいました♪

2021年8月29日撮影の木星


木星は太陽系にある惑星の1つで、内側から5番目の公転軌道を周回している第5惑星。木星といえば表面にある縞模様と左下にある大赤斑。大赤斑は地球のおよそ2~3個分の大きさがり、その正体は半時計周りに回っている嵐です。その風速は地球上のどんな嵐よりも強く、おそらく350年以上前から存在してきたと考えられています。

2021年8月29日撮影の土星


土星は太陽系の第6惑星。土星と言えば、やはり環ですよね。まるで絵を見ているかのような気持ちになるほど神秘的な1枚ですね。土星の環は肉眼では観ることができず、1610年にガリレオ・ガリレイが最初に望遠鏡で土星の環を観測しましたが、当時はそれが環であることまではわからずガリレオは「土星には耳がある」と表現したのは有名なお話ですよね。

木原先生の解説付き「土星の傾きを比較」

ここからは木原先生による、「土星の傾きを比較」をご紹介したいと思います。

木原先生:『1つめは、2018年から惑星撮影をしましたので、土星の傾きを比較してみたものを作ってみました。徐々に傾きがなくなってきているのがわかります。地球から見たときの輪っかの傾きは、約15年周期で大きくなったり小さくなったりするそうですね。(「真横→傾きが北に最大→真横→傾きが南に最大→真横」を約30年で繰り返すため、輪っかの傾きの大きさの変化は、その半分の約15年周期)2017年が一番傾いていたそうですが、撮影を始めたのが2018年だったので、2017年が撮れていないのが残念。』

木原先生の解説付き「土星の環の衝効果(ハイリゲンシャイン効果)」


木原先生:『2つめは、土星が時間経過とともに、輪っかの明るさが変わる現象、土星の環の衝効果(ハイリゲンシャイン効果)も作ってみました。2021年7月18日から始まって2021年7月30日までの分を比較してみました。』

木原先生:『わずかながらですが、7月18日と7月30日を比べると輪っかの明るさが違っているのがわかります。これは土星の環の衝(しょう)効果と呼ばれおり、土星が衝の時期に土星の環が通常よりが明るくなる現象みたいですが、ほんと、面白いですよね。調べてみると、この現象は、太陽の光が当たっている方向から見ることになる衝付近では、環を構成している粒子の反射光が他の粒子に邪魔されない為に起きると考えられており、ハイリゲンシャイン効果とも呼ばれているそうです。』

土星でこんな変化があるなんて知りませんでした。木原先生、勉強になります!
今回もステキな画像と土星についての新しい楽しみ方(詳しい解説付きで!)をありがとうございました!

・撮影場所:大阪府堺市
・カメラ:ASI290MC
・鏡筒 :EdgeHD800
      Explore Scientific 3xフォーカルエクステンダー
      ZWO ADC 1.25”大気分散補正プリズム
・赤道儀:Advanced-VX
・ソフト:Firecaptureで撮影
     AutoStakkert!3でスタック(70%)
     Registax6にてwavelet処理(強調処理)
     Winjupos De-Rotation(合成)
     Photoshop CS6で仕上げ


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