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【野鳥関連ニュース】

野鳥図鑑〜森に棲むミステリアスな「アオバト」


「アオバト」は、ハト目ハト科アオバト属に分類され、中国、台湾、日本などに生息し、緑色の鮮やかな姿が特徴的な野鳥です。日本では本州・四国・九州で繁殖する留鳥ですが、北海道では6月初旬に道内に飛んできて、秋になると本州へと渡っていく夏鳥です。個体によって単独で行動したり、数羽〜10羽の群れを作って行動します。
「アオバト」の生態には、まだ謎に包まれていることが多く、ミステリアスな野鳥としても知られています。

美しい容姿が名前の由来


「アオバト」の学名は「Treron sieboldii」、英語名は「White-bellied green-pigeon」と表記します。学名の「Treron」は「ハト」を、「sieboldii」は、ドイツ人医師で、日本の動植物を世界に紹介した人物として知られる「シーボルト」を意味するもので、オランダの鳥類学者であるテミンクがシーボルトにちなんでつけたものだそうです。
「アオバト」は、かつては「ヤマバト」と呼ばれていたようですが、英語名の「green-pigeon」という名前にもあるように、美しい体色の特徴から「アオバト」と呼ばれるようになったといわれています。

オスとメスの見分け方

「アオバト」の大きさは全長33cmほどで、公園で見かけるポピュラーなハトとほぼ同じ大きさです。
オスとメスは体の色で見分けることができます。オスは頭から胸にかけては黄味がかり、お腹はクリーム色、羽の一部が赤色、目の周りとくちばしは青色をしています。一方、メスは全体的に緑色をしていて、オスのほうがカラフル。野鳥界ではメスよりオスのほうがカラフルな場合が多いですが、アオバトのメスは品のある美しい色ですよね。

(メス)


(オス)

不思議な鳴き声も魅力のひとつ?


「アオバト」の鳴き声は「オーアーオー」「ウーウワァーオー」等と、物悲しげな声で鳴きます。聞く人によっては、小さな子どもの泣き声や、笛の音などと勘違いしてしまうくらい、独特で不思議な鳴き声です。そのため昔は、楽器の尺八から連想され、別名「尺八鳥」と呼ばれて、東北では、様々な民話や伝説にも登場していたようです。
森の中では緑色の体が森と同化し、見つけるのはなかなか難しくなりますが、鳴き声を頼りに探せば「アオバト」に出会えるかもしれませんね。

ピジョンミルクで効率の良い子育て


「アオバト」の繁殖期は6〜7月ごろで、高い樹に木の枝や枯れ葉等を編んで束ねた、皿型の巣を作ります。「アオバト」の子育てで特徴的なのが、雛に「ピジョンミルク」を与えること。「ピジョンミルク」とは、日本語では素嚢乳(そのうにゅう)といい、動物性たんぱく質のほか脂肪が多く含まれる液体のことで、雛を育てる際にこれを吐き戻して子どもに与えます。メスだけでなくオスからも分泌されるものなので、効率よく子育てに専念できますね。そうして、たくさんの栄養と愛情をもらった雛は15日ほどで巣立って行きます。

海水を求めて・・・


「アオバト」は森林に住んでいますが、5〜10月頃になると、海岸に姿を現わし、海水を飲む姿が見られます。とても珍しい行動で、理由は未だはっきりと解明されておらず、様ざまな説がありますが、夏の時期は果実食のみとなり、ミネラルやナトリウム不足を補うためではないか、というのが一番有力と考えられています。
また「アオバト」は、水を飲む際に尾羽から下半身にかけての身体を意図的に海水に浸す「尾浸け」という行動も多数目撃されていますが、なぜそうするのかも明らかになっていません。海水を飲んだり、尾漬けを行うことは、高波にのまれたりハヤブサに襲われて命を落とすこともあるほど危険な行為。それにも関わらず行う理由は何か?まだまだ知られていないことがたくさんあります。

そんな「アオバト」に出会えたよ!という方は、是非ネイチャーランドのギャラリーページにお写真をご投稿ください。お待ちしています!
◆ギャラリーページはコチラhttp://natureland-nose.com/photo/


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