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【野鳥関連ニュース】

野鳥図鑑〜夏色の美しい鳥「ブッポウソウ」


「ブッポウソウ」はブッポウソウ目ブッポウソウ科の野鳥で、5月ごろに繁殖のため日本へ渡ってくる夏鳥です。数は1000羽ほどと少なく、本州、九州、四国を繁殖地とし、主に平地、山地、里山、水辺に近い森林、特にスギやヒノキの林を好んで生息しています。
広葉樹に多くみられる洞窟状の空間「樹洞」に巣を作る生態がありますが、雨風がしのげる場所であれば、木製電柱のような人工物の穴も巣にしてしまうそうです。
そして繁殖を終えた秋頃に、暖かい地域で冬を越すため東南アジアへと向かいます。

素早い身のこなしで、フライングキャッチ!


昆虫類が主食の「ブッポウソウ」は、この時期、飛びながら捕食するフライングキャッチも見ものです。木の影からジーッと獲物を狙い、急上昇、急降下、急旋回と華麗な身のこなしで餌となるトンボやセミを空中で捕らえます。その勇ましい姿から、空中ハンティングの名手として知られています。

瑠璃色の羽はまるで「森の宝石」


全長30㎝ほどで、ハトよりもひと回り小さい「ブッポウソウ」は、全身光沢のある瑠璃色の身体で、翼を広げると白色の斑紋が目立ちます。頭部と尻尾は黒褐色、くちばしと足は鮮やかなオレンジ色。まさに夏色の美しい鳥!その美しい容姿は「森の宝石」とも呼ばれています。
そんな美しい「ブッポウソウ」は、光るものを集めるコレクターとしても知られ、巣の中や周辺からは、貝殻、アルミ、プラスチック、陶器などが見つかっています。これは、子育ての際、雛に与えているそうで、餌である甲虫の堅い外骨格を胃の中ですりつぶすために一緒に飲み込んでいるのだとか。

勘違いで名付けられた名前


「ブッポウソウ」は、鳴き声が「ブッ・ポウ・ソウ(仏法僧)」と聞こえるところから、平安時代に名付けられました。仏法僧とは仏教の三宝のことで、「仏」「仏の説いた法」「その教えを奉じ広める僧」をいい、また、瑠璃は仏教世界では神聖視されていたので、瑠璃色の身体をした「ブッポウソウ」の鳴き声であると長らく信じられてきました。しかし実際は、よくよく観察しても「ゲッゲッゲッ」といった濁った音の鳴き声しか発しない「ブッポウソウ」。それでも、夜になるとありがたい鳴き声で鳴くのだと本気で信じられていたようです。
そんな「ブッポウソウ」の鳴き声に、長い時を経て新事実が判明。昭和10年(1935年)、「ブッ・ポウ・ソウ」と鳴いているのは、フクロウの一種である「コノハズク」だということがわかりました。
それ以降、学名上は「ブッポウソウ」のままですが、神秘的な瑠璃色の身体をした「ブッポウソウ」を「姿のブッポウソウ」、「仏法僧」という仏教的にありがたい鳴き声をする「コノハズク」を「声のブッポウソウ」と呼ぶようになりました。
勘違いから名付けられた名前・・・ちょっと紛らわしいですが、笑えるエピソードでもありますね。

なぜ絶滅危惧種に?

「ブッポウソウ」は、絶滅危惧種に指定されていますが、原因は何なのでしょうか?
生息数がもともと少なく、生息地である森林の荒廃、餌となる比較的大型の昆虫が多く生息する広葉樹林の減少、繁殖の際、巣として活用できる穴のある木の減少、キツツキ類のあけた穴のある木製電柱がコンクリート製や銅管製の柱に変更されていること、などが原因とされています。 
そこで、「ブッポウソウ」の飛来する各地域では、巣箱を設置するなどの保護活動が行われており、繁殖固体数が回復しつつある地域もあるそうです。

「ブッポウソウ」は警戒心の強い鳥と言われています。姿が美しいことから、カメラの被写体になることが多く、ついつい近くで撮影したくなりますが、巣に戻らなくなってしまうと繁殖にも影響しますので、距離を保って撮影や観察を行ってくださいね。

そんな「ブッポウソウ」に出会えたよ!という方は、是非ネイチャーランドのギャラリーページにお写真をご投稿ください。お待ちしています!

◆ギャラリーページはコチラ
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