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【野鳥関連ニュース】

野鳥図鑑〜夏を告げる「ホトトギス」


「ホトトギス」といえば、3人の戦国武将の性格を端的に表した「鳴かぬなら・・・」で有名な句の中にも出てくる、カッコウ目カッコウ科に分類される鳥です。日本には夏鳥として5月ごろに渡ってきて、北海道南部・本州・四国・九州・伊豆半島・沖縄で繁殖します。林の周辺にある藪のある場所、草原などに多く生息しています。百人一首や万葉集などでもよく名前が出る「ホトトギス」。夏の季語として登場するほど、昔の人は夏を告げる「ホトトギス」の第一声を心待ちにしていたようです。

見た目も行動もそっくりな「ホトトギス」と「カッコウ」

全長が約 28cm、羽根を広げると46cmほどになり、ヒヨドリよりも少し大きく、ハトよりは少し小さい「ホトトギス」。青灰色の頭部と背中、黒褐色の翼と尾羽、腹にある黒い横斑、黄色いアイリングが特徴的です。オスとメスの模様はほとんど同じですが、鳴き声が異なるため、鳴き声でオスとメスを判別できることもあるようです。そんな「ホトトギス」は「カッコウ」にそっくり!大きさは「カッコウ」よりも小さいとはいえ、見た目はほぼ同じ。胸の横線が少なくしっぽに斑点がほとんどないのが「ホトトギス」。一方で「カッコウ」は、胸の横線がしっかり入っていてしっぽに斑点があります。しかし、「ホトトギス」は警戒心が強くなかなか近くで見ることができないため、ここでも鳴き声が最大の識別ポイントになっています。「ホトトギス」と「カッコウ」は、見た目だけでなく、他の鳥の巣に卵を産んでしまう行動(托卵)もまた、よく似ています。

←「ホトトギス」


←「カッコウ」

「ホトトギス」の名前の由来


「ホトトギス」の名前は、鳴き声が由来と言われています。「ホトトギス」の鳴き声は「キョッキョッキョキョキョキョ」などと聞こえますが、昔の人は「ホットホトギ」などと聞こえていたようで、この鳴き声に鳥を表す接尾語の「ス」を付けて、「ホトトギス」となったようです。「ホトトギス」の鳴き声と言えば、「特許許可局」や「テッペンカケタカ」などの、鳥のさえずりなどをそれに似た言葉に置き換える「聞きなし」でご存知の方も多いのではないでしょうか。

非情な「ホトトギス」!?驚くべき繁殖の話!


「ホトトギス」は「ウグイス」の巣に托卵することで有名で、日本には「ウグイス」の繁殖期に合わせて渡ってきます。「ホトトギス」の卵は、「ウグイス」の卵と同じようなチョコレート色をしており、大きさは少し大きめ。産卵中の「ウグイス」の巣を探し見つけると、自分の卵を1個産み付け、自分の卵と入れかえに「ウグイス」の卵を1個抜き取るのだそうです。なんと計算高い!そして更に驚くべき事実が・・・「ホトトギス」の卵は、「ウグイス」の卵より2、3日早く孵化するのですが、孵化した「ホトトギス」の雛は、まだ孵化していない「ウグイス」の卵を背中に乗せて巣の外に押し出してしまうそうなんです。産まれたばかりなのに、非情な大仕事をこなす「ホトトギス」の雛・・・恐るべし。でもこれも「ホトトギス」が血を絶やさないために備わった本能なのでしょう。托卵をする理由もまだ完全に解明されていないようですが、「ホトトギス」などの体温変動が大きい鳥は、体温変動の少ない鳥に托卵してもらった方が孵化する率が高いため、という説が有力なようです。

植物の世界にも「ホトトギス」が存在する

植物にも「ホトトギス」という名前の花があることをご存知ですか?ユリ科の宿根草で、秋の茶花としても古くから親しまれてきた花です。名前の由来は、花びらにある斑紋が鳥の「ホトトギス」の胸の斑紋と似ていることからその名がつけられたそうです。
「異物同名(いぶつどうめい)」といって、鳥の名前のなかには、他の生きものと同じ名前を共有しているものが少なからずあるそうです。ちょっと混乱http://natureland-nose.com/photo/してしまいますが、植物の「ホトトギス」の名付け親は、きっと鳥のことにも詳しい方だったんでしょうね。

そんな「ホトトギス」に出会えたよ!という方は、是非ネイチャーランドのギャラリーページにお写真をご投稿ください。お待ちしています!

◆ギャラリーページはコチラ
http://natureland-nose.com/photo/


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