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【野鳥関連ニュース】

野鳥図鑑〜小さな身体でたくましく生きる「セッカ」


「セッカ」は、スズメ目セッカ科に分類される留鳥・漂鳥で、体長はおよそ13cm、羽を広げると16 cmほどの小さくて可愛い鳥です。体色はスズメによく似ていますが、スズメよりもやや小さく、日本の鳥類の中でもひと際小型の野鳥です。
生息地は、地中海沿岸からインド、南アジア、オーストラリア、台湾、日本など、広く分布しており、アシやススキ、イネなど背の高い草が生えている河原や水田、池のほとり、山地や高原などに生息していることが多いようです。日本では、沖縄から東北地方にかけての各地に生息し、冬場になると寒いところから暖かい地方へ移動していきます。

「セッカ」という美しい響きのネーミング、その由来は?


「セッカ」の名前の由来は諸説あるようです。個性的な鳴き声と一緒に高く飛んだり低く飛んだり、とにかくせっかちな様子から名付けられたとか。他にも、漢字では「雪加」「雪下」と書き、お腹の辺りが雪のように白いという説や、巣づくりのために咥えたクモの卵のうや植物の白い綿毛が雪のように見える、などさまざま。由来はさておき、名前の響きは美しい「セッカ」。小さく可愛らしい容姿にもピッタリですね。

「セッカ」は裁縫上手!!


「セッカ」の繁殖期は5〜9月。巣を作るのはオスの仕事で、イネ科の植物が育つ草原に、麦の葉などをクモの糸で縫って洋ナシのようなツボ型の外巣を作ります。しかも使っている糸はクモが卵を守るときにだけ出す特別な糸だそうで、じょうぶな巣が出来上がるのが想像できますね。
オスは、「ヒッヒッヒッ」と高い声で鳴きながら飛び、「ジャジャジャ」と低い声で鳴きながら下降する繁殖期特有の行動やさえずりで、作った巣をメスにアピールします。巣を気に入ったメスは、枯れ草やチガヤの穂などで巣の内装を整え、完成させます。
一夫多妻制の「セッカ」は、オスは交尾後の子育てには一切関わらず、次々に別のメスを誘います。この時期の縄張りはとても広く、ときには200m四方の範囲にもなり、多くて20個ほどの巣を作ると言われています。縫って縫って縫いまくる!まるで裁縫職人のようですね。一方で、メスとつがいになることができないオスも非常に多いのが「セッカ」の繁殖の特徴です。

一夫多妻でオスがお歯黒!?情報が大渋滞!


「セッカ」の成鳥は、夏羽と冬羽の色が違うといわれています。夏羽の場合は、淡い褐色で、頭から背、翼の上面には黒褐色小縦斑が多数あり、尾っぽは先が白いのが特徴です。一方、冬羽は全体的に黄味褐色に黒っぽい茶色模様になります。
オスとメスの見た目にほとんど違いはありませんが、繁殖期のオスは、くちばしの内側が真っ黒になり、まるでその昔、既婚女性の風習だったお歯黒状態に!また、この時期のオスは気性が荒く、他のオスとのケンカは常に命がけ。そして次々にメスを誘って繁殖を繰り返す・・・お歯黒姿で!?と思うとちょっと笑えますが、全ては「セッカ」にとって繁殖を成功させるために備わった特徴なのかもしれませんね。

多難な「セッカ」の子育て


メスはオスの去った巣で4〜8個の卵を産み、ヒナが巣立つまで全ての面倒を見ます。約12〜14日間の抱卵を経て孵化し、生後13〜15日で巣立ちを迎え、なんと巣立ってからおよそ1ヶ月でヒナも繁殖ができるようになります。
ただ「セッカ」の巣は、ヘビなどの外敵から狙われることも多く、産卵後7割近くの巣が捕食されたり、放棄されてしまい、繁殖の多くは成功しないとか。オスのたくましい繁殖行動やヒナが巣立ち後すぐに繁殖する理由には、こういった背景が関係しているのかもしれませんね。
しかし、「セッカ」もやられっぱなしではありません。ヒナは天敵に見つからないように、親鳥がエサを持って巣に戻っても「ピーピー」大きな声で鳴かないそうです。子孫を残すためにさまざまな工夫をしていることが分かりますね。

そんな「セッカ」に出会えたよ!という方は、是非ネイチャーランドのギャラリーページにお写真をご投稿ください。お待ちしています!

◆ギャラリーページはコチラ
http://natureland-nose.com/photo/


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