野鳥図鑑〜聞きなしで和ませてくれる「センダイムシクイ」~
「センダイムシクイ」は、鳥綱スズメ目ムシクイ科ムシクイ属に分類される夏鳥です。スズメやウグイスよりも小さく全長約12.5cm〜13cmほどで、背中は淡い緑褐色、腹部は白く、体側から腹部にかけて黄味を帯びた羽毛に覆われています。暖かくなってくると、北海道から九州までの山地、低山地の落葉広葉樹林で見られ、おもしろい鳴き方をする小さくてかわいい鳥です。
特徴的な鳴き声が名前の由来に
「センダイムシクイ」は「チヨ チヨ ビー」と特徴的な鳴き方をします。この鳴き声を昔の人が「ツル チヨ ギミー」と聞きなし、歌舞伎「伽羅先代萩(めいぼくせんだいはぎ)」の「鶴千代君」に当てはめたことから、「センダイムシクイ」と呼ばれるようになった、というのが名前の由来です。これ以外にも、「焼酎一杯ぐいー」と聞きなしがされていることでも有名な野鳥です。
仮親でもしっかり子育て!
「センダイムシクイ」の繁殖期は5〜6月ごろで、繁殖のために日本に渡って来ます。巣といえば木の上にあるものを思い浮かべますが、「センダイムシクイ」は木の上ではなく地上に巣をつくります。山地の林で、傾斜のある地面の窪みや割れ目に作ることが多く、枯草やコケなどを使って巣を作り、産座に獣毛や繊維、ゼンマイの綿などを使用します。一度の産卵で4〜6個の卵を産み、13〜16日間抱卵して、孵化したヒナは14日程で巣立ちをします。また、「ツツドリ」の托卵先となり、仮親になることもあるそうです。我が子同様しっかり子育てする、健気な「センダイムシクイ」。冬季になると東南アジアへ渡り、越冬をします。
見分けるには鳴き声がポイント
「センダイムシクイ」に似た鳥には、同じムシクイ類の「メソボムシクイ」や「エゾムシクイ」などがいます。どちらも鳴き声に違いがあり、「メソボムシクイ」は「シュリ、シュリ、シュリ」、「エゾムシクイ」は「ヒィッ、ツイッ、キィー」や「ピィ」という風に聞こえます。「センダイムシクイ」なのか迷った時は、ぜひ鳴き声に耳を傾けてみてください。
そんな「センダイムシクイ」に出会えたよ!という方は、是非ネイチャーランドのギャラリーページにお写真をご投稿ください。お待ちしております!
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