野鳥図鑑~木の幹を縦横無尽に走り回る『キバシリ』~
「キバシリ」は、スズメ目キバシリ科キバシリ属に分類される留鳥で、その名の通り木の幹を走り回るように採食する行動するのが特徴的な野鳥です。大きさは全長11~15.5㎝ほどで、スズメよりも小柄で細身の体型をしています。
木の幹になじむ保護色ボディ
「キバシリ」のオスとメスは同色で、額から頭部にかけてと体上面は黄色みのある褐色をしています。背中には淡灰色の縦斑が入った保護色仕様。細長い尾羽は先端が尖っていて、角度の急な木の幹でも尾を使って安定した姿勢が保てるようになっています。また、足は細長く、足指が長いのも特徴的です。
体を上手に使って捕食
「キバシリ」の食性は肉食性です。チョウやガのほか木の幹に生息する昆虫類などを主食としています。食べ方も特徴的で幹に尾をつけて体を支え、這うような姿勢で幹をらせん状に上下しながら捕食します。繁殖の季節になると、幹の割れ目や樹洞に朽木の破片をクモの巣で繋いだ椀状の巣を作って営巣します。一腹卵数は4~5個で、メスによる約14日の抱卵を経て孵化し、ヒナたちはおよそ14~16日で巣立っていきます。
声を頼りに探してみよう
「キバシリ」は、ユーラシア大陸や北アメリカ大陸の中緯度地帯に分布しています。基本的には留鳥ですが、北の地域で繁殖した個体は冬季になると暖かい地方へ移動して越冬します。日本では九州より北に分布し、亜高山帯の針葉樹林や落葉広葉樹林に生息しています。ただ、キバシリの色彩は幹の色と似ているので、ねぐらが特定できていない場合には見つける事は難しいかもしれません。そのような時は、「ズィー」という鳴き声を頼りに、その姿を探してみてください。
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