【野鳥関連ニュース】
野鳥図鑑~権力の象徴にも例えられる『イヌワシ』~
「イヌワシ」はタカ目タカ科イヌワシ属に分類される鳥類です。日本に生息するのは「二ホンイヌワシ」というイヌワシの亜種の1種で、世界には5種類の亜種が生息しています。全長は75~85cmほど、翼開長(翼を広げた長さ)175~200cmで体重は3~5kgにもなります。
広大なテリトリーで活動する「イヌワシ」
「イヌワシ」は北海道から九州の山岳地帯に生息しています。年間を通して山奥に生息するため、季節によって移動しない「留鳥」に分類されます。通常はペアごとにテリトリー(なわばり)を持ち、1年を通してその中で生活しています。ペアのテリトリーの広さは地域や環境によって異なりますが、平均で約60平方キロメートルにも及ぶと言われています。
絶滅の危機に瀕する野鳥のひとつ
イヌワシは勇壮で力強く、孤高かつその美しい姿のために、古くはローマ時代から権力の象徴として王家の紋章や部族のシンボルとして広く用いられてきました。「イヌワシ」は動物食で、哺乳類・大型鳥類・ヘビなどを餌として食べます。中でもノウサギ・ヤマドリは重要な餌とし、自然界の食物連鎖の頂点にいる鳥です。近年、森林伐採や都市開発などによる生息地域の減少で餌不足を招き、現在絶滅の危機にさらされています。国をあげての保護活動も行われていますが、その数は日本全国で500羽に満たないと考えられています。