野鳥たちの「渡り」について
野鳥達の「渡り」の季節とは?
春か夏にかけて繁殖期を過ごした野鳥達は、秋になると寒い冬を越すためにより温かな南方へと移動を行います。その距離は1万キロを超えるものから、山の中から市街地への近距離のものまでさまざまです。このように一定の繁殖地と越冬地の間を定期的に行き来することを「渡り」と言い、彼らが移動する経路を「渡りのルート」と呼びます。
「渡り鳥」の種類は?
渡り鳥は、「夏鳥」「冬鳥」「旅鳥」の3種類に分類できます。世界のどの国や土地を基準にするかによって変わりますが、日本を基準にした場合それぞれの鳥の種類をご紹介します。
夏鳥
春になると東南アジアから日本に渡り、繁殖期を迎えてまた秋になると南に向かって渡っていく鳥たち。代表的な夏鳥としては「ツバメ」「サシバ」「ハチクマ」「カッコウ」「サンコウチョウ」などが挙げられます。
冬鳥
夏にシベリアで繁殖した鳥がが、秋になると越冬のために日本へと渡ってくる鳥たち。代表的な冬鳥として「ハクチョウ」「ツル」「カモ」「ガン」「ヒシクイ」などが挙げられます。
旅鳥
シベリアで繁殖し、秋に日本を通過してオーストラリアに行く鳥たち。そして、また春になるとオーストラリアから日本を通過して、シベリアへと渡っていきます。渡りの通過地点である春や秋の一時期だけ、日本で見られることから旅鳥と呼ばれています。代表的な旅鳥として「シギ」「チドリ」「ヤツガシラ」などが挙げられます。
ちなみに、一年中同じ場所・地域で見られる鳥は「留鳥」と呼ばれています。代表的な留鳥として「スズメ」「ハト」「カラス」などが挙げられます。
渡り鳥の中でも人気の「タカの渡り」
「タカの渡り」はどこで観られる?
「タカの渡り」のルートには主に2種類あります。1つは北海道から青森県の竜飛岬を経由し、日本海側を南下しながら内陸に入り、長野県の白樺峠、琵琶湖南岸から瀬戸内海を抜け、九州を横断して五島列島を渡るルート。もう1つは東日本の各地から愛知県伊良湖岬を通り、紀伊半島、愛媛県の佐田岬や由良半島を経て、九州へ入るルート。その中で夏鳥のサシバは南西諸島を経て東南アジアへ、ハチクマは五島列島から中国大陸へ渡り東南アジアを目指します。