野鳥図鑑~長距離飛行が得意な旅鳥『ムナグロ』~
「ムナグロ」はチドリ目チドリ科ムナグロ属に分類される旅鳥で、その名の通り、夏羽に見られる黒い胸が特徴です。大きさは全長24cm、翼開長(翼を広げた大きさ)は67cmほど、オスとメスは同色で夏羽は顔から胸にかけてと腹が黒く、それを縁取るように額から続く白い帯状の模様があります。
田んぼや干潟で集団生活
「ムナグロ」は主に春と秋の渡りの時期に旅鳥として、田んぼや干潟などに生息しています。ほとんどの場合群れで行動しているので、川沿いに田んぼが広がっている場所で堤防の上から探すのが見つけやすくおすすめです。観察するときには田んぼを広く見渡せる場所でムナグロの群れが飛び立つのを待って、群れが降り立った場所へ向かうのがポイントです。干潟には「ムナグロ」にとてもよく似た「ダイゼン」がいる場合があるので識別には注意しましょう。識別のポイントとしては、「ダイゼン」は「ムナグロ」と比べると大きく、黄色みが無いことや、飛翔時の翼の線が白く明瞭、腰が白く、脇羽が黒い(ムナグロは灰色)という違いがあります。
↑ダイセン
野鳥界の長距離アスリート
「ムナグロ」は、アラスカ~ハワイまでのおよそ4800kmをノンストップで飛び続けることでも知られています。2009年ごろの調査ではオアフ島からアラスカまでを3日かけて時速39マイル(62km)で飛んだそうです。24cmほどの体でありながら、2~3日飲まず食わずでひたすら翼を動かして飛び続けるとい見た目からは想像もできない体力の持ち主です。 春が訪れると水田などに姿を見せるムナグロは長距離飛行のための中継地として日本に立ち寄ります。飛翔の姿も巧みでスピードが速く、地上に降りる時も安全を確認したうえで着陸します。日本ではおよそ3週間ほどしか姿を見ることができませんが、旅の疲れを感じさせないその姿は一見の価値ありです。
そんな「ムナグロ」を撮影したことがある!という方は、是非ネイチャーランドNOSEのHPまでお写真をお寄せくださいませ♪
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