野鳥図鑑~長~いくちばしが特徴の『タシギ』~
長いくちばしが特徴的なタシギは、チドリ目シギ科タシギ属に分類され、シギ類として最も日本で広く知られています。漢字では「田鴫」または「田鷸」と書き、田んぼによく居ることから、田(タ)と名付けられた由来もあります。また、秋の季語にもなっているタシギは、俳句の中でも多く詠まれています。
敵に見つかりにくい縞模様
タシギはハトよりも一回り小さく、全長25~27㎝前後、翼を広げた状態(翼開長)は43㎝ほどです。全長に対してくちばしの割合が大きく、全長の7〜9cmを占めています。体色は地味な褐色~黒褐色ですが、敵に見つかりにくいようにカモフラージュのための複雑な縞模様が入っているのも特徴です。
器用に動くタシギのクチバシ
タシギを含むシギ類にみられる特徴のひとつに、嘴端開閉(したんかいへい)という、嘴(くちばし)の先端だけが開閉する器用な仕組みを持っています。タシギはくちばしの先が2㎝ほど柔らかくなっているので、嘴の根元は閉じたままで先だけを動かして干潟などの泥中にいる虫を捕食します。稲刈りの終わった田んぼで、長いくちばしを根本まで泥に突き刺して虫を探している姿を見かけることができます。図鑑などでは夜行性として紹介されていることが多いタシギですが、実際は安全な場所であれば昼間でも行動するので、明るい時間帯でも観察することができます。
多彩な飛び方ができるタシギ
タシギは驚いたり危険を察知したときに「ジェーッ、ジェーッ」としゃがれ声で鳴き、逃げるために螺旋状に舞い上がります。また、繁殖期のオスは「チクッチクッ」とさえずり羽音をたてて、急降下して求愛します。番(つがい)ができると、地面に掘った穴に草を敷いただけの巣に洋梨形の卵を平均して4つほど産み、抱卵はメスだけで行い卵は17~20日でふ化します。主に「水田」「河川」「湿地」「池沼」などで姿を見かけることができるタシギ。その姿を捉えることができた!という方は、是非ギャラリーページまでご投稿ください♪お待ちしております!
◆ギャラリーページはコチラ
http://natureland-nose.com/photo/