能勢ネイチャーランド

【野鳥観察基礎知識】

宮脇先生の野鳥コラムVol.4「凶事をウソにして幸運に替える鳥」

大宰府天満宮(福岡)や亀戸天神(東京)には、正月にウソという名前の鳥を象った木彫りを持ち帰り、新しいものに取り替える「ウソ替え神事」という行事があります。これは、「凶事をウソにして幸運に替える」というご利益があるそうです。
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これは、古来より鳥は人の魂を運ぶ特別な動物として私たちの信仰や生活と深く関わってきた、というひとつの現象であり現在でもその信仰は日本各地に残っているというから大変興味深いですね。日本各地の天神様で初天神の縁日が開かれる1月24日(火)や25日(水)にこの「ウソ替え神事」が行われることが多いので、もしお近くで行く機会があれば是非一度覗いてみてください。

「ウソ」はお洒落な太っ腹?

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さて、このウソという鳥は、「ヒュー、ヒュー」と澄んだ声で鳴き、人間の口笛のようにも聞こえます。スズメより少し大きく、アトリの仲間。オスは顔と喉が赤く鮮かなマフラーを巻いたようにも見えてとても美しいです。しかし、お腹が丸っこく張り出していて、とても太っているように見えることもあり愛らしさも感じます。この鳥は春先になると大阪・能勢でも見られ、群れで庭先にやって来ては桜や梅、桃などの蕾を巧みに食べます。大きな群れになるとひとつの木の蕾を丸坊主にしてしまうため、桜の開花を楽しみにしている私たち人間を嘆かせる悩ましい鳥でもあります。

※参考文献: 「田尻の野鳥」 宮脇 敏徳(サンクチュアリ能勢代表)

コラム筆者プロフィール

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サンクチュアリ能勢代表
宮脇 敏徳 先生
大阪府能勢町の小学校教員・校長を歴任した後、大阪府鳥獣保護員、日本野鳥の会大阪支部会員、NPO法人シニア自然大学校会員として探鳥活動の指導・啓発、自然保護活動に参加。弊社開催の里山ハイキングやバードウォッチングのナビゲーターとして、初心者にも解りやすく野鳥の魅力を教えてくださる野鳥の案内人。


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