能勢ネイチャーランド

【野鳥観察基礎知識】

宮脇先生の野鳥コラムVol.2「鳥たちの縄張り宣言&求愛活動」

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鳥は朝早くからよくさえずります。日の出前の真っ暗な時間からも鳴いています。どの鳥が一番初めに鳴くかを調べるのも楽しいものです。
さて、朝早くさえずる鳥が多い理由ですが
①早朝(太陽の光量の少ない時間帯)はエサ探しの行動ではなく、
 繁殖に関する時間に割く
②なわばりを持っているオスが営巣・抱卵しているメスを守るため、
「俺は今日も元気だぞ!!」と周りに宣言する
③早朝は昼間と違い音の伝わり方がいいから…
などと言われています。

鳥たちがよくさえずる季節は?

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鳥は、春、繁殖期の初期によくさえずります。今年(2016年)、能勢のウグイスの初音は、2/29でした。年によってさえずり始める時期の違いはあっても、毎年、春先に鳴き始めることには違いありません。日の長さの変化から季節を感じていると思われます。鳥の中には、秋によく鳴く鳥もいます。モズは、キーキキキ……と、秋の初めに「高鳴き」をします。モズは、オスだけでなく、メスもこの声でなわばりを宣言します。

さえずらない鳥たちについて

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鳥の中にはさえずりのない鳥たちもいます。さえずらない鳥たちの場合、縄張り宣言や求愛行動は違う方法で行われます。例えば、ギジはさえずることはしませんが、その代わり、「ケーン、ケーン」と遠くまで響く声で鳴き、翼をドドドドと震わせます。ヤマドリも、翼を震わせて、キジよりも大きな音を出します。

私の家の裏山ではキジが繁殖しており、毎日、鳴き声が聞かれます。『ケンケンと鳴くキジ(♂)』キツツキの仲間も、木をすばやくつついでドラミングします。エナガはさえずりのない鳥とされていますが、サブソングと呼ばれる複雑な鳴き方をします。スズメ、ヒヨドリにも繁殖の時期だけする鳴き方があるそうで、これが求愛行動などの信号になっているのかも知れませんね。

※参考文献:「鳥の声と生態」 藤田 薫(横浜自然観察の森レンジャー)
「田尻の野鳥」 宮脇 敏徳(サンクチュアリ能勢代表)

コラム筆者プロフィール

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サンクチュアリ能勢代表
宮脇 敏徳 先生
大阪府能勢町の小学校教員・校長を歴任した後、大阪府猟銃保護員、日本野鳥の会大阪支部会員、NPO法人シニア自然大学校会員として探鳥活動の指導・啓発、自然保護活動に参加。弊社開催の里山ハイキングやバードウォッチングのナビゲーターとして、初心者にも解りやすく野鳥の魅力を教えてくださる野鳥の案内人。


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