ガソリン暫定税率の廃止は“軽油”にも適用？どのような政策的対応が取られるのか【徹底解説】

2025年、ガソリンの「暫定税率」がついに廃止される方向で動いています。これは軽油（ディーゼル燃料）にも同様に秘れられていた「暫定税率対象の税金」が対象となる政策であり、物流・農業・産業界にも大きな影響を与えるものです。

この記事では、

1 軽油にも暫定税率はかかっている！その内訳は？

油種	本則税率	暫定税率	合計税額（税/ｌ）
ガソリン	28.7円 (振発油税+地振発油税)	25.1円	53.8円
軽油（引取税）	15.0円	17.1円	32.1円

つまり、軽油にも\u17.1円の暫定税が上乗せされており、ガソリンと同等に軽油も暫定税率廃止の対象として扱われる仕組みになっています。

重要法案の一つとして、軽油引取税の特例税率（17.1円）の廃止を明記した法案が、ガソリン暫定税率廃止法案と同時に国会に提出されています。この法案では、ガソリンと同様に軽油にもかかる暫定的な税負担を軽減し、燃料価格の安定や消費者・事業者の経済的負担を軽くすることが目的とされています。また、物流業界や農業・建設業界など軽油を多用する分野において、コスト構造の見直しや業界支援にもつながる可能性があります。
しかしながら、現時点では法案の成立や施行時期については不確定な要素が多く、特に軽油引取税が地方自治体の重要な歳入源の一つとなっている事情もあり、その財政への影響を慎重に見極める必要があります。そのため、年度の途中での廃止は困難とされており、税制改正の具体的な実施については、次年度（2026年度）以降を目指す方向で議論が進められている状況です。

2025年5月22日より、政府は「燃料油価格定額引下げ施策」を発動し、ガソリンと軽油に対して一様に1ℓあたり10円の補助金を支給しています。この措置は、燃料価格の高騰が家計や物流・農業などの産業に与える影響を軽減することを目的としています。具体的には、補助金は石油元売業者などを通じて価格に反映され、消費者や企業が購入する段階で値下げの恩恵が実感できるようになっています。また、この定額引下げ施策は、今後の暫定税率廃止に向けた過渡的な対応としての性格もあり、完全な税制改革が実施されるまでの間、段階的に価格安定を図るための政策的配慮といえます。政府は今後の原油価格や為替動向を見ながら、補助額や期間の見直しを検討していく方針も示しており、燃料価格の推移に応じた柔軟な対応が期待されています。

軽油を大量に利用するトラック運送・建設・農業業界には、価格変動が直接的に事業の採算や収益構造に影響を及ぼします。燃料費はこれらの業界において、全体のコストの中でも大きな割合を占めており、少しの価格上昇が経営を圧迫する要因になり得ます。特に長距離輸送を担う物流企業や、大規模な重機を常時使用する建設現場では、軽油価格の上下が月次の収支に直結することも少なくありません。「定額補助のみ」では、そうした業界の燃料コストの変動を吸収しきれない場面も多く、恒常的な軽油価格の安定や税制の見直しが必要との指摘も根強くあります。したがって、単発の補助金制度だけでは十分ではなく、中長期的な税制改正による抜本的な対策が求められているのが現状です。

報道の大半は「ガソリン対策」として構成されており、軽油の話題が後回しとなる傾向が強く、その結果として軽油は今回の政策対象に含まれていないのではないか、という誤解が生じやすくなっています。特に、見出しや速報記事などでは「ガソリン価格引き下げ」「ガソリン税廃止」といった表現が多用される一方で、軽油については本文中で簡単に触れられるにとどまるケースも少なくありません。このような報道構成は、軽油利用者や関係業界が自身に関係のある政策だと気づきにくくする一因となっており、情報伝達の観点でも課題が残ります。したがって、政策の全体像を伝える上では、ガソリンだけでなく軽油についてもバランスよく報道・周知がなされる必要があります。

軽油も暫定税率の廃止対象であり、法案に明記されています。これは、ガソリンと同様に軽油にも一時的な増税措置として上乗せされていた17.1円の暫定税が対象になっていることを意味しており、長年にわたり維持されてきたこの税負担がようやく見直されようとしている重要な政策転換のひとつです。
2025年5月からは、ガソリンと同様に軽油に対しても1リットルあたり10円の補助金が実施されており、これは燃料価格高騰への対策として一定の効果を上げています。特に、物流・農業・建設といった軽油依存度の高い業界では、こうした補助が運営コストの軽減につながるとして歓迎されており、短期的な価格安定の手段として活用されています。
ただし、現時点では法案はまだ成立しておらず、補助金が出ているとはいえ、暫定税率そのものが完全に廃止されたわけではありません。そのため、真の意味での税制改革が実現されるかどうかは、今後の国会での審議や年内の政治動向に大きく左右される状況です。したがって、軽油利用者や関係業界にとっては、2025年内の政策の進展を注視し、必要に応じて情報を更新・活用する柔軟な対応が求められます。