2020年7月星空トピックス
煌びやかな惑星たちの競演に注目
梅雨の季節を迎え、星空もいよいよ夏本番の装いに姿を変えつつあります。春の星座は少しずつ西に傾き、さそり座など夏の星座が見やすくなってきました。そして今月注目すべきは惑星たちです。10日(金)には金星が最大光度に達し、下旬ごろにはすべての惑星が日の出前の空に勢ぞろいします。
明け方の空に輝く金星
日の出前の明るくなり始めた東の空に、明るく輝く金星が目にとまるようになってきました。金星は日を追うごとに少しずつ高度を上げ、見やすくなっていきます。10日(金)には明るさも最大(最大光度)となり、マイナス4.5等に達します。これは、1等星の100倍以上の明るさです。このころの金星は大変明るいため、位置が分かれば昼間の空でも見ることができます。日の出前の空で見つけた金星の位置を見失わないようにしていれば、日の出から何時間か経った後でも金星を見つけることができます。
月と惑星たちの競演を観察しよう!
太陽系最大の惑星である木星が7月14日(火)に「衝(しょう)」となり、観察の好機を迎えます。さらにその1週間後の21日(火)には土星が「衝」となります。木星は約マイナス3等、土星は約0等で、天の川の左(東)で大きな存在感を放っています。
※1)衝とは、太陽系の天体が、地球から見て太陽とちょうど反対側になる瞬間のことです。衝の頃は、地球と惑星との距離が近くなるため明るく見え、望遠鏡で拡大すると、見かけの直径(視直径)も大きくなっています。
夏の夜空にすべての惑星が勢ぞろい
7月下旬、明け方の空に全ての惑星が勢ぞろいします。西南西の地平線近くにある木星から始まり、空を横切って土星、海王星、火星、天王星、金星が並び、東北東の地平線近くには水星があります。このように夜間に全ての惑星が地平線の上にあるのは大変珍しいことです。ただし、海王星は約8等と大変暗いため、肉眼では見ることができませんが、正確な位置を調べ、そこに望遠鏡を向ければ見ることができます。また、天王星の明るさは約6等で、双眼鏡を使って観察するのがおすすめです。
水星、金星、火星、木星、土星が勢揃いする機会はなかなかありません。この機会に5つの惑星を探してみませんか?双眼鏡や望遠鏡を持っている人は、天王星や海王星の観察にも挑戦してみてください♪
◆7月の満月は
7月5日(日)
◆7月の新月は
7月21日(火)です