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【天体関連ニュース】

星のソムリエがお届けする、天体コラム Vol.9『地球サイズの惑星系TRAPPIST-1』

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39光年先にある“TRAPPIST-1”について

39光年の近距離に地球サイズの惑星系が見つかったことをご存知ですか?それはみずがめ座方向にある“TRAPPIST-1”という名前の恒星の周囲を回っています。この驚きのニュースのポイントを簡単にまとめると次のようになります。
・7つもの惑星が公転している
・どれもが地球とほぼ同じサイズ
・6つの惑星が地球と同じ岩石型惑星
・7つの惑星すべてに液体の水が存在する可能性あり
・3つの惑星がハビタブルゾーンに位置している
=>つまり、地球外生命体に会えるかもしれないということなのです。因みに、ハビタブルゾーンとは、惑星表面で水が液体で存在しうる範囲のことで、太陽系では地球がその範囲内に位置しています。つまりTRAPPIST-1の3つの惑星には生命体が発生して存在している可能性が高いということになります。筆者にとっては、約20年前の映画「コンタクト」を思い起こさせられました。たしか主演がジョディフォスターで、そのお父さん役の方がこと座のα星であるベガからやって来たベガ星人。ベガは25光年彼方の恒星です。たった20年前のこの映画は完全にSFものとして位置づけられていましたが、今ではそのような架空のお話しが現実のもととして捉えられるようになってきました。なんだか心がワクワクしますよね!

地球からどのくらい離れた場所に“TRAPPIST-1”があるのかについて

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光年ってご存知だと思いますが、時間の単位ではなくて距離の単位です。1光年は光が1年間に進む距離のことですが、さてどれくらいの距離でしょうか? それでは光の速さを30万km/秒として、ちょっと計算してみましょう。例えば太陽までは平均距離1億5000万kmなので、1億5000万km÷30万km/秒=500秒=約8分。つまり光の速さで8分の距離になります。言い換えると8分前に光った太陽の光が地球に到達していることになります。TRAPPIST-1からの光は39年かけて地球に届くので、反対に言うとTRAPPIST-1からは39年前の地球が見えることになります。日本では、池袋にサンシャイン60高層ビルが建設されたり、成田国際空港が開港されたり、インベーダーゲームが流行ったり、ピンクレディーのUFOが150万枚売れたりっていう時代でした。

“TRAPPIST-1”の惑星名について

7つもの惑星が恒星の周りを回っている惑星系って、太陽系に似ていると思いませんか?水星、金星、地球、火星、木星、土星、天王星、海王星という並びが太陽系なので、そっくりですよね。TRAPPIST-1系の惑星はまだ正式名称は付いていなくて、内側からb、c、d~hと仮符号がふられています。
C5Tn32TXAAEs9eE(image credit:NASA/Twitter)
『宇宙人っていますか?』老若男女問わず星空講座ではよくこの質問を受けます。あなたはどのように思いますか?筆者は「宇宙人はいないと考える方が不自然でムズカシイですよ」といつも回答しています。著名な天文学者いわく、あと10年以内には地球外生命体の存在の確かな証拠が見つかるそうです。そもそもあなたも宇宙人なのですから^^!

コラム筆者プロフィール

村上将之 先生(入稿用)村上将之  
Masayuki Murakami
1963年 魚座生まれ。
東京都国立市在住。
「星のソムリエ」「星空宇宙天文検定2級」を取得。
ネイチャーショップKYOEIにて情報企画業務やブログ制作のかたわら、「NHK学園講師」として星空講座のレクチャーや南十字星ツアーなども手掛けている。そのほか幼稚園や小学校や学習館などでも星空教室を開催。最近はふたたびバードウォッチングにもはまり、日本野鳥の会の探鳥会にも出没している。


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