星のソムリエがお届けする、天体コラム Vol.4『星のかたち』
秋の夜空って明るい星がなくて、なんとなくもの寂しい感じがいたします。1等星といえば、水面から飛び跳ねる魚の姿を表したみなみのうお座の口元に輝くフォーマルハウトただ1つだけです。その寂しい秋の星座たちの中でもわりと目立つ星座としては、勇者ペルセウスがまたがっていた白馬のペガスス座(秋の四辺形)があげられます!ペガスス座は翼が生えた天馬の姿を表していて、その胴体部分は秋の四辺形を形作っています。今回は星座の名前やかたちや星の並びが1から8つまでの天体をご紹介いたします。
1.北極星
1つの星で天の北極を指し示しているのが北極星。みなさん誰もが知っている天体ですよね。でも実際に北極星の位置が分かる人となると意外と少ないのではないでしょうか?それはたぶん北極星の明るさが暗いからだと思います。北極星は1等星だと思っていませんか?実は2等星なのです。だから小学生の時に習った北斗七星やカシオペア座から辿ってもなかなか探せないわけです。
2.こいぬ座
こいぬ座は2つの星で星座のかたちを表しています。小さくてかわいい小犬ですが、その2つの星のうちの1つが明るく輝く1等星プロキオンです。この星はオリオン座の1等星ベテルギウスとおおいぬ座の1等星シリウスとで冬の大三角を形作るので、こいぬ座は見つけやすい星座と言えます。が、2つの星でどうやって小犬のかたちを連想するのか。。。ちょっと難しいですよね。
3.さんかく座/みなみのさんかく座
さんかく座もみなみのさんかく座もともに3つの星で形作られていて、いわゆる三角定規を表しています。 さんかく座はアンドロメダ座のそばに位置していて、周囲に明るい星々がないため比較的簡単に見つけることが出来ます。 みなみのさんかく座は天の南極の近くにあって、日本では沖縄県石垣島あたりに行けばなんとか見ることができます。
秋の四辺形
秋の星座の目印でもある秋の四辺形は、ペガスス座の天馬の胴体にあたる部分の四角形で、4つの2等星で構成されています。 秋の宵のころには頭上天高くに位置していて、自然と目につくでしょう。 ちなみに秋には他の季節には存在する三角形と名が付く星の並びはありません。
5.ぎょしゃ座
綺麗な五角形のかたちをした星座がこのぎょしゃ座です。ぎょしゃを漢字で書くと御者となり、その意味は馬車の運転手さんになります。 そして五角形の星のうちの1つが1等星カペラです。カペラは冬の星座たちの中では、全天恒星で最も明るいシリウスに次いで明るい星なのでとても目立ちます。カペラの名前の意味は小さな雌山羊。つまりぎょしゃ座は子ヤギを抱いた馬車の運転手さんとなります。五角形からその姿を想像するのは神業かもしれません。
それからあと。。。
6.六分儀座/南斗六星/冬のダイアモンド
7.北斗七星
8.八分儀座
などが挙げられますが、これらの星座たちのお話はまたの機会にゆずりたいと思います。
コラム筆者プロフィール
村上将之
Masayuki Murakami
1963年 魚座生まれ。
東京都国立市在住。
「星のソムリエ」「星空宇宙天文検定2級」を取得。
ネイチャーショップKYOEIにて情報企画業務やブログ制作のかたわら、「NHK学園講師」として星空講座のレクチャーや南十字星ツアーなども手掛けている。そのほか幼稚園や小学校や学習館などでも星空教室を開催。最近はふたたびバードウォッチングにもはまり、日本野鳥の会の探鳥会にも出没している。