野鳥図鑑~森のナルシスト!?『キビタキ』~
美しい色彩と美声の持ち主
全長13~14cm、オスは頭部から背面にかけて黒く眉斑、腹部と腰は黄色。喉は鮮やかな橙黄色をした美しい色彩と美声の持つ『キビタキ』。日本へは初夏の5月ごろに渡り鳥として渡来し、北海道から沖縄までの広い範囲に生息し繁殖期であるになると、樹洞や樹木の裂け目などに営巣します。キビタキのさえずりは、種類が豊富で生息地によっても異なることで知られていて、繁殖期には縄張り宣言とメスの関心を引くために「ピョロロン」「チッチリリ」「ツクツクオーシ」など様ざまなさえずりが聞かれます。
長い足を使って「フライングキャッチ」
キビタキの食性は、動物食の強い雑食です。昆虫や節足動物などを捕食することが多いですが、秋になると木の実も食べます。採餌方法は木の枝に止まり、木の葉の裏面にいる虫や空中を飛翔する昆虫を狙う「フライングキャッチ」が中心。そのため、小さな体を支える足は折れそうなほどに細いですが、指と爪が体長に比べて長めになっていることが特徴的です。
「ナルシスト」を語源に持つ『キビタキ』の英名
『キビタキ』の英名は「Narcissus Flycatcher(ナルキッソス・フライキャッチャー)」。「フライキャッチャー」は、先にご紹介したとおり、飛びながらハエのような小さな昆虫を捕食することからつけられています。一方の「ナルキッソス」とは、古代ギリシャ神話の中で、水面に映る自分の美貌に魅せられそのまま一輪の花(水仙)になってしまった、という伝説の美少年の名前に由来します。欧米では、水仙のことを「ナルシス」と呼び、「ナルシスト」の語源とされています。もしかすると『キビタキ』も自分の美しい姿を水面に映してうっとり眺めているかもしれませんね。
夏の間キビタキは全国の森林で見られ、渡りの移動中は田園や公園などでも羽休めをしている姿が見かけられます。美しいキビタキの姿が撮影できた!という方は、是非ネイチャーランドNOSEのHPまでお写真をお寄せくださいませ♪
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