野鳥図鑑~覚えやすさNo.1、春を代表する野鳥『メジロ』~
メジロという名前の由来にもなっている、目の周りの白いフチ取りが特徴的な春を代表する野鳥。バードウォッチング初心者にとっては、姿と名前が一致する野鳥のひとつでもあります。メジロはスズメ目メジロ科メジロ属の鳥で、和歌山県と大分県の県鳥に指定されています。
愛らしい小さな体と緑色の背中
メジロは全長約12cm、日本で見ることができる野鳥の中では「ミソサザイ」「キクイタダキ」に次ぐ小ささで、雀よりも小ぶり。「目の周りの白い輪」と「緑がかった背中」「暗褐色の羽」が特徴です。オスとメスはほぼ同色ですが、オスは顔の前面部と下尾筒の黄色味が強く、お腹の中央に黄色の線があります。
メジロがウグイスと間違えられる理由
春の鳥と言えば、「ホーホケキョ」の鳴き声で知られるウグイスも有名ですが、実はウグイスとメジロが同じ鳥と認識されている場合が多くあります。その理由のひとつが、花札にあると言われていて、花札に描かれているウグイスは、実際の体の色とは違い緑色で描かれています。実際、ウグイスは普段はヤブの中にかくれていて、鳴き声は聞こえても姿を現してくれないことが多く、春に梅や桜の木で見かけるメジロがウグイスと認識されてしまったのかもしれません。
←花札のウグイス
←ウグイスの体は暗緑茶色
甘いものが大好きなメジロ
メジロの食性は雑食ですが、花の蜜や果汁など甘いものが大好物で、地方では「はなすい」や「はなつゆ」などと呼ばれることもあります。また、メジロの舌は筆のようになっているので、舌を花蜜にさし込んで舌の先に含ませ、雛を育てる時には虫なども捕食します。メジロの鳴き声は「チーチー」という地鳴きが多いですが、他にも「キュルキュル」「ピーチュルチー」という美しいさえずりも聞くことができます。